Field Notes · N°008

「クラスに出たから強くなる」わけではない

読了時間 5分テーマ 柔術の学び方著者 藤原 寛倫

柔術って、クラスに出ていれば強くなるものなんでしょうか。

僕は、そうではないと思っています。

これはある程度長く柔術をやっている人だったら、かなりの人が頷いてくれるんじゃないかと思います。

ファーストステップはクラスで入口を見ること。セカンドステップは聞いて、見て、試して、知っている技を使える技にすること。その先は、集めた部品を自分の柔術に組み上げること

01 クラスで教わるのは、ダイジェスト

もちろん、クラスに出ることは大事です。

先生から技を教えてもらう。
実際に動いてみる。
知らなかったテクニックに触れる。

でも、クラスで教わることって、結局はその技の「ダイジェスト」でしかないんですよね。

例えば一つの技を、先生が10分、15分説明する。それを何回か練習する。

それで、その技を本当に理解して、スパーリングで自由に使えるようになるかと言ったら、普通はならない。

むしろ、「こういう技があるんだ」「こういう考え方をするんだ」という入口を見せてもらっているだけだと思います。

僕は、それが柔術を学ぶファーストステップだと思っています。

02 「知っている技」を「使える技」に

そこから先に進むには、同じテクニックをもう一度先生に聞いてみたり、先輩に聞いてみたり、動画を見たりする。

別の人の説明を聞くと、同じ技なのに全然違う言葉で説明していることもあります。

別の角度から映像を見ると、「あ、ここでこうなっていたのか」と初めて気づくこともある。

そうやって、一つの技をいろいろな方向から見ていく。

そして実際にスパーリングで使ってみる。

当然、最初はうまくいきません。

そこで、「なんで今のはかからなかったんだろう」と考える。

また人に聞く。
また動画を見る。
また試す。

この繰り返しで、少しずつ「知っている技」が「使える技」に変わっていく。

ここまでが、僕の中ではセカンドステップです。

03 集めた部品を、自分で組み上げる

そして、さらに先があります。

ある程度技術が増えてくると、今度はそれらを自分で組み合わせ始めます。

この技と、この技はつながる。

自分の場合は、このポジションからここに行った方がやりやすい。

相手がこういう反応をするなら、自分はこうした方がいい。

そうやって、自分がこれまで集めてきた技術という「部品」を、自分なりに組み上げていくようになります。

ここから先は、単に技を覚えるというより、自分なりの柔術を作っていく作業に近い。

僕は、柔術を深くやる人の中には、テクニックをある意味で「哲学する」人がいると思っています。

「なぜこれはうまくいくんだろう」
「本当にこのやり方が正しいんだろうか」
「こっちの方が合理的なんじゃないか」

ずっと考える。
試す。
失敗する。
また考える。

そういう人は、強くなると思います。考え続けるし、試し続けるからです。

04 言葉を覚えるのと、似ている

これは、言語を覚えることにも少し似ています。

授業に出て、単語や文法を教えてもらうだけで、その言語を自由に話せるようになるわけではない。

実際に使って、間違えて、聞いて、読んで、また使う。

そのうち、自分で文章を組み立てられるようになる。

柔術もそれに近いと思っています。

だから、クラスの役割を過大評価しない方がいい。

クラスは重要です。でも、クラスですべてを習得しようとするものではない。

クラスではまずダイジェストを受け取る。

そこから、先輩や先生に聞く。
仲間同士で教え合う。
動画を見る。
教則を見る。
自分で復習する。
スパーリングで試す。
失敗した理由を考える。
また戻って勉強する。

このサイクルを何度も何度も回す。

それが、柔術が上手くなっていくということなんじゃないかと思います。

05 強い人の「考え方」に触れる

そして、さらに上を目指すなら、人の「考え方」に触れることも重要になります。

「私はこうやって強くなりました」
「このポジションを、こういう考え方で捉えています」
「僕はこういう順番で技術を組み立てています」

そういう話を聞く。

技そのものだけではなく、強い人が何を見て、どう考えているのかを知る。

そうすると、自分の考え方の幅が広がっていきます。

だから僕は、いい教則というのは、技の手順だけを見せるものではなく、時にはその人の考え方や哲学まで入っていていいと思っています。

06 循環の中で、強くなる

柔術を学ぶ環境には、いろいろなものが必要です。

  • クラスがある。
  • 先生がいる。
  • 先輩がいる。
  • 仲間同士で教え合う文化がある。
  • 復習できる環境がある。
  • 映像がある。
  • 教則がある。
  • そして、自分で考えて試す時間がある。

その全部を使いながら、少しずつ自分の柔術を作っていく。

だから、「クラスに出たから強くなる」わけではない。

クラスに出る。
学ぶ。
調べる。
試す。
失敗する。
考える。
また学ぶ。

その循環の中で、強くなっていく。

僕は柔術って、そういうものだと思っています。

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