柔術・グラップリング界の、選手と動画収益の話
グラップリングの選手は、どうやって稼いでいるのか。

今回はその話を書きます。途中から、SubPro が何を考えて作られているかの話になります。
01 無名の頃は、プライベートレッスンとセミナー
名前が知られていないうちは、ジムでのプライベートレッスンが収入になります。少し名前が出てくると、セミナーに呼ばれるようになります。
世界レベルまで行くと、やっと BJJ Fanatics のような教則サイトから声がかかります。

02 教則サイトは、収益より名刺
教則サイトから一本出すことは、とても大きい。収益もありますが、それ以上に名刺になります。この人は有名なんだ、という扱いを受けるようになる。
ただ、教則は単品の販売です。一本ごとに、はっきりしたテーマが要ります。撮影と編集にも手間がかかります。
だから、ここから収益を上げ続けられる選手は限られます。大きな体系を持っている人。引き出しがとても多い人。需要が飛び抜けている人。ほとんどの選手は、二、三本出して終わりです。

03 次に考えるのが、Patreon
そういう選手が次に考えるのが、Patreon のような月額のサブスクです。
Patreon は手軽で、人気があります。コミュニティもあります。
数字も大きい。名の知れた選手の Patreon には、会員が 2,000 人を超えるところもあります。月額は 7 ドルからです。全員が 7 ドルだとしても、毎月 1.4 万ドル。大金です。
グラップリングは、その人の技術の体系を知りたい人や、その人のファンが、きちんとお金を払う世界です。2,000 人集まれば、大きな収益になります。

04 Patreon は、グラップリングのために作られていない
ただ、本気で技術を身につけたい人にとって、Patreon は見づらい。検索が弱い。誰にでも使える形に作ってあるぶん、グラップリングには合っていません。
ここで、流れが少し変わってきました。
05 その次が、動画サブスクの土台と、制作の代行
次に選手が考えるのが、Uscreen のような動画サブスクの土台です。その上にサイトを作ってくれる代行の業者もいて、そこから出している選手もけっこういます。
これは、十分ありだと思います。
ただ、引かれるものがあります。
- 土台の料金。 会員一人ごとにかかるので、月額 20 ドルのサブスクなら、およそ一割です。
- 制作を代行する人への支払い。
- 自由のきかなさ。 自分でどこまで更新できるか、どこまで変えられるか。
ここがもっと良くなればいいのに、と選手の目線で思うところを、SubPro は一つずつ潰しています。ここから先は、その話です。

06 料金は、明朗会計
SubPro の料金は、Uscreen に近い形です。月いくら、に加えて、会員が何人増えたらいくら。その金額と使える機能が、プランで変わります。
売上の何割、という取り方はしません。お金はお客さんから選手のところに直接入ります。選手は、決まった料金だけを払えばいい。
最初にサイトを立ち上げる費用として 330 ドルをいただいています。安いと思います。

07 アプリが要るのは、オフライン再生くらい
アプリにも対応する予定です。
ただ、正直に言うと、いまアプリが要る場面は多くありません。電波のないところで見るためのオフライン再生。あとは全画面にするのが楽なこと。それくらいです。
その全画面も、実はアプリなしでできます。PWA という仕掛けがあって、サイトをスマホのホーム画面に登録すると、アプリと同じように全画面で開きます。SubPro のサイトはこれに対応しています。
有名な Submeta も同じやり方です。ストアにアプリは出さず、ホーム画面に登録して使う形にしています。

08 見る人にとって大事なこと
グラップリングの動画を見ていて、いちばんのストレスは何か。
右構えの人の動画を見ながら、自分は左構えなのにな、と思うことです。頭の中で左右をひっくり返しながら見るのは、つらい。
だから SubPro には、ミラー再生があります。左右を反転して見られます。
これ、意外とないでしょう。標準で付いているところがあったら教えてほしいくらいです。パソコンのブラウザなら、別の道具をかませればできるかもしれません。でもスマホでは無理です。
ほかにも、こういうものが最初から付いています。
- AB リピート。 ここからここまでを、何度も繰り返して見る。
- プレイリスト。 あとで見たい動画を、自分でまとめておく。
- 動画ごとのノート。 この場面をあとで見よう、と書き残す。書いた場面には、そこから飛べます。
- スロー再生と早送り。 これは当たり前ですね。


09 字幕は、誰のためにあるのか
次に字幕です。
いまはスマホで AI が使えるので、選手が自分で文字起こしをして、字幕を焼き込んだ動画をアップロードすることは珍しくありません。
では、字幕は誰のためにあるのか。まず、見る人のためです。
音を出せない場所で見る人がいます。音を出していても、文字で確かめながら見るほうが頭に入る人がいます。だから字幕は大事です。
でも実は、字幕は選手のためでもあります。母国語が通じないところにも、届けられるからです。
日本の選手が英語で話すと、日本の人には分からない。日本語で話すと、英語圏の人には分からない。
岩本健汰はバイリンガルなので、以前は英語と日本語の両方で動画を出していました。けっこう面倒だ、と言っていました。
SubPro に移ってからは、その手間が減りました。どちらの言葉で話しても、もう片方に翻訳されるからです。
英語で話せば、文字起こしをして、柔術の文脈で翻訳し、日本語の字幕にして出します。
字幕だけではありません。うちは吹き替えにも対応しています。岩本が日本語で教えている部分には、英語の吹き替えを入れられます。本人が両方分かるので、出来も確かめられます。精度は 90% くらいです。
100 点は、正直むずかしい。英語が母語の人が英語で話したものを、英語で文字起こしして吹き替えても、90% くらいになります。
でも 90% あれば、見る人には十分伝わります。何を言っているかは分かる。
字幕と吹き替えは、全プランに最初から付いています。
そのためには、話す人がマイクをつけている必要があります。いまだにスマホのマイクで撮っている人がいますが、何を言っているか聞き取れなかったり、まわりの音が大きすぎたりします。高くないマイクなら 30 ドルほどで買えます。マイクくらいは使ったほうがいい。

10 カメラと、撮る人
カメラの話もしておきます。
スマホでも十分きれいに撮れます。もう一段上を目指すなら、DJI の Osmo Pocket のような、ジンバルの付いた小さなカメラがいい。明るい場所で撮ることも大事です。
固定カメラで撮っている人も多い。でも商売でやるのだから、撮る人を一人つけたほうがいい。ジムのオーナーでないと難しいかもしれませんが、撮る人が一人いるだけで、だいぶ違います。
こういうことを、うちはかなりシビアに考えています。

11 選手に、管理画面を触らせない
選手に管理画面を触らせない。 これが SubPro のいちばんの特徴です。
まず、動画のアップロードです。
ふつうはこうなります。ブラウザを開く。ID とパスワードを入れて管理画面に入る。アップロードのページに行く。アップロードのボタンを押す。ファイルがどこにあるか探して選ぶ。スマホで撮ったものを、いったんパソコンに移してからやる人もいるでしょう。
これが手間です。もちろん SubPro でも、このやり方はできます。
でも、うちは撮ってすぐ Dropbox に入れるだけです。このフォルダに入れたものはこの分類、という決まりで、SubPro が動画を吸い上げます。すぐにではなく、決まった時間に見に行く形です。
実は、もっと簡単な方法もあります。ここには書けないので、ぜひ問い合わせてください。
選手の負担は、かなり減ると思います。

12 いま Patreon をやっている人へ
すでに Patreon に会員がいる人は、こう思うはずです。新しく自分のサブスクを立ち上げて、会員は全部ついてきてくれるだろうか。
気にしなくていいです。両方持てばいい。
自分のサイトをもう一つ持っても、手間はそんなに変わりません。会員が少ないうちは料金も安いので、負担にはならないはずです。
そのかわり、自分のホームが持てます。どこかのプラットフォームの中の一ページではない、自分の場所です。
- 自分のドメインで運用できます。 そのドメインは、あなたのものです。
- 自分のブランドで運用できます。
- 自分の考えを込められます。 自分は動画でこうやって学んできた。だからみんなにもこう学んでほしい。その考えを、サイトの形にできます。
- ファンとのやり取りも、いちばんやりやすい形を設計して作れます。
うちは売上には手を入れません。いただくのは、場所の料金だけです。
ここをもっとこうしてほしい、という直しも、ぼったりしません。50 ドルくらいでやっています。
だから、ぜひ検討してほしい。一気に乗り換える必要はありません。いまの Patreon を傷つけずに、新しいチャンネルを一つ作る。こっちのほうがいいと思ったら、そのとき乗り換えればいい。その必要がなければ、そのままでいい。
二か所にアップロードするのが手間だ、と思うかもしれません。
岩本は、いまも Patreon にアップロードしています。やっていることは、これまでと同じです。SubPro の側が、そのファイルを自動で取りに行っています。彼の手間は一つも増えていません。
移行の手間なんて、ないんです。

13 直しは、どこよりも早く
不具合には、すぐ対処しています。ここをもっとこうしてほしい、という声には、どこの業者よりも早く応えているつもりです。検索の仕方も、分類も、言ってもらえればいつでも変えられます。
とにかく負担を減らす。お金は、きちんと本人のところに行く。
14 テクニックを売る場所ではなく、自分を表す場所
デザインは、かなり融通がききます。
好きな映画でも、何でもいい。自分の持っているイメージを言葉にしてもらえれば、それに近い形にできます。
岩本健汰は、映画『マトリックス』が大好きです。そこで語られる「自分の限界は、本当にそこなのか」という問いが、彼のグラップリングの考え方の土台になっています。自分の練習の土台です。だから、それをサイトのいちばん大きなメッセージに入れました。
こういうことは、なかなかできないでしょう。
あなたのサイトは、テクニックをただ売る場所ではありません。あなたの考えを表す場所でもあります。そこについてきてくれるファンは、濃くなります。メッセージが届くようになります。
どこまで行ってもテクニックのサイト、という作りにして、見る人をないがしろにしてはいけない。お金を払ってくれる人は、あなたのファンです。あなたの考えや情熱を盗みたいと思っている。そこにお金を出しています。
それを出し惜しみするのは変です。でも、出そうと思っても、うまく表せない。うちは、それがまっすぐ出るように設計します。
それが、見る人と選手のいちばん健全な関係ではないでしょうか。

ここまで読んで、動画で収益を得たいと思った選手は、ぜひ SubPro を検討してください。
僕は日本人ですが、英語でのやり取りはまったく問題ありません。チャットならとても速いです。WhatsApp でも何でも対応します。話すのは、少し遅いですが。
SubPro CEO
Hiromichi Fujiwara (藤原寛倫)